今回は慢性腰痛を抱える方にぜひ読んでほしい「腰痛を繰り返すのは心配しすぎで起きているかもしれない話」です。
検査をしても原因がわからず何度も腰痛を繰り返す、マッサージをしてもらえばその場は良いけどまた繰り返し痛みが出るなど、何度も腰痛を繰り返し経験する人が多くおられます。
腰痛克服のヒントになるかもしれませんので最後まで読んでいただけると幸いです。
慢性の腰痛患者さんが私どもに求めていることは「早くなおしてほしい」「一瞬で痛みを取ってほしい」ということだと思います。
病院も接骨院も整骨院も整体院も治療院も、お金を取りますから、極端に言えば「金払ってるんだからなんとかしてくれるはずだ」とお考えかもしれません。
そう考えて患者さんは「すぐになおしてくれそうなところ」を探します。
少し付け加えると、この院は雰囲気がいいわね、ここは先生がいい人そう、女性のセラピストがいるから安心できる、口コミにいいことが書いてあった、うさんくさくない、など「あなたの基準」で選んでいます。
選び方は自由です、もちろんあなた基準で選ぶべきです。
でももう一つ選ぶポイントを付け加えてもらうと今後のあなたの腰痛とのかかわり方が変わってくるのでそれも加味するともっと良い選択ができます。
それは「余計な心配をさせていないか」です。
ノーシーボ効果という言葉を聞いたことがありますか?
プラシーボ効果は聞いたことがあるという人はいると思いますが、ノーシーボ効果ははじめて聞いたという方が多いと思います。
※プラシーボ効果・・・効き目成分が入っていないくすりでも「効く」と思い込んで服用すると効果が得られること。プラセボともいう。
ノーシーボ効果とは簡単に言えば「心配するあまりありもしない副作用が出てしまうこと」です。
腰痛に関して言えば
などと過剰に心配すると実際に痛みが出たり強くなってしまうのです。
言葉一つで腰痛の結果が変わってしまいます、と患者さんに説明すると、
「え、なにこれ、洗脳?」
「先生これはなにかの宗教ですか」
と言われることがありますが単純な脳科学です。痛みは意識することで強くなったり発生したりするのです。
今まで逆に変な洗脳をされてきたことにそろそろ気づいてくれませんか?そうですか、まだ気づいてくれませんか。ですよね。構いませんよ、僕は一人でもやりますから。
というわけですから、もしあなたの先生が先ほどの箇条書きにあったようなキーワードをおっしゃったら、せめて耳を塞いで聞かなかったことにしてください。お願いします。
上記のキーワードは腰痛を扱う上では口が裂けても言うべきではないのです。なぜなら、それらの言葉は患者さんの心に長く留まり、回復を妨げる可能性があるからです。
それと、腰痛の原因を特定したければ最低でも4院〜5院程度ハシゴして下さい。命を脅かす重大な疾患でもない限りすべての先生の意見が一致することはないと思います。
ネットで検索して数軒みてみてもわかるように原因は一致しません。正解かどうかわからない一つの説のせいで痛みがひかないとしたら損だと思いませんか?
友だちと食事をしたり遊んでいるときや趣味に没頭しているときは痛みがなかった、という経験はありませんか?
「そういえばあのときは痛くなかった」
という瞬間が今までにあったはずです。それは気のせいでもなんでもなく「脳の反応」です。
その瞬間だけヘルニアがなおっているわけでも骨盤が整っているわけでもありません。筋肉がゆるんでもいないし姿勢がよくなっているわけでもありません。
脳が痛みをコントロールしているのです。
ここまでお話しても脳が感覚をつかさどっていることをわかっていただけないようでしたら、あなた様は人間ではないかもしれません。
もしかしたらAIかも!冗談です。人間ですよね?機械であれば故障した箇所を修理すればよいのですが、人間そうはいきません。
ヘルニア手術をしたけど痛みがとれない、とお話される方がいることからも単に部品を入れ替えたり補強するだけでは一律よい結果が出るわけではないことが伺えます。
ちなみにヘルニアは故障でないことは比較研究から明らかになっていますし、椎間板の変性も単なる年齢の変化にすぎませんから部分的な損傷=「痛み」と捉えるのは早計の可能性があります。
ではここで少しカラダとの付き合い方を考えてみましょう。いいですか?ついてこれますか?考え方の話です。
まず、「あなた」を「アナタ」と「カラダ」に分けてください。そしてこう考えてみてください。
もしお付き合いするなら「アナタ」は
どちらの「カラダ」を選びますか?
①いつも悲観的で破滅的なことを考えていて言うことを聞いてくれないトラブルメーカー
②いつも優しく見守ってくれて何かあったときは建設的な話し合いで問題を解決できるパートナー
え?①がいい?そうですか、マニアックですね。否定はしません、人それぞれですから。好みがありますよね、大丈夫ですよ。
僕は②がいいです。お付き合いするならこういう人がいいです。2番さん、お願いします。
さて、イメージできましたか?多くの人が理想的には②がいいと思うはずです。ところが実際はどうでしょうか。慢性的に腰痛をお持ちのあなたはどうですか?
いくつかあてはまったでしょうか。
慢性腰痛にお悩みの方は①もしくは①に近いカラダとお付き合いしていると考えられます。
ではなぜそんな状態になってしまったのでしょうか、肉体的にはお年寄りよりは若いしアスリートのように連日激しいトレーニングで体をいじめているわけでもないですよね?
肉体的に損傷していないとすれば、痛みをどのようにとらえているかを考える必要があります。
さきほど脳科学の話を少ししましたが覚えておいでですか?「友だちと食事をしているときは痛くない」という現象です。
脳は非常にデリケートに、そしてオートで我々の身体をコントロールしています。突然ですがちょっとゲームしましょう。
今からひとつ、僕が質問しますので意識してみて下さいね。
いいですか?聞きますよ?
質問です。
右のお尻、パンツはいてる感触ありますか?
感触はありましたか?全裸の人はごめんなさい。パンツをはいて再挑戦してくださいね。
あなたが今パンツをはいているかを確認したいわけではありません。意識を集中するまで右のお尻の皮膚はなんの感覚もなかったはずです。ところが「右ケツ!」と意識を集中させた瞬間にパンツや衣服の存在に気づきます。
呼吸も同じように意識を向けないかぎり今吸っているか吐いているかなんて気になりませんよね?
普段、意識しないかぎり問題のない体の感覚情報は脳がオートで(感じないように)消しているのです。
この機能がないと人間はどの瞬間も「あー、服が腕にすれる、背中にすれてる、ヒザにも当たってる~」などと気になってしょうがないわけです。
「足の裏が床に当たってる、口が開いてる、うわ〜指がスマホに当たってる〜」
人間そんなことよりも、食べたり、働いたり、遊んだり、大事なことに意識を集中させないといけません。
右のお尻をケガして血が出ていたりして危機が迫っていなければセンサーを働かせる必要もありません。
ところがノーシーボ効果に脳が反応してしまうと異常もないのにセンサーが働いてしまいます
慢性腰痛の人はずっと「腰、腰、腰」「注意、注意、注意」とセンサー強度を強めて生活しています。
そんなところにノーシーボ、すなわち「腰の骨がゆがんでいますね」なんて言われたらイチコロです。常に腰に意識を集中させているので少しでも変化があれば必要以上に強く感じてしまうのです。
あなたも思い当たるフシがありませんでしたか?腰が痛いことは事実です、しかし脳が痛みをコントロールしていることを考えるとセンサーの強度が強いままだと都合が悪いのです。
腰の痛みに矯正や揉みほぐしを何度やっても数日たつと元の痛さに戻ってしまうような方や腰痛を繰り返す方は、脳の痛み制御がうまく働いていない可能性があります。
トラブルメーカーなカラダになってしまうのは歪んでいるからでも筋肉が硬いからでもなく、脳の誤作動であたかも異常があるかのように検出してしまっている可能性があります。
また、ぎっくり腰で再発しやすい人と再発しにくい人がいるのは、普段の考え方や腰痛の悪化に対する恐怖心が作用している可能性さえあるのです。
今回は「腰痛の考え方」ということで脳科学の視点を交えて、専門用語を最小限でお話しましたがいかがだったでしょうか?脳の話を持ち出すとカタカナと漢字だらけになってしまうのであえて省きました。
大事なことは専門用語を覚えることでも腰の構造に詳しくなることでもなく、腰痛を正しく理解することです。
何度も繰り返す腰痛や慢性的な腰痛の原因がノーシーボ効果からくるものとは考えたくありませんが、長引く腰痛や日によって痛みが変わる現象も脳が関係している可能性があることをわかっていただけたと思います。
ちなみに繰り返したり長引く腰痛の原因はこれだけではありません。社会生活を営む人間にとって腰痛には非常に多くの要因が絡んでいると考えなくてはいけません。
でもちゃんと理解できれば解決への道がグッと近づきますので諦めずに取り組みましょうね。
腰痛関連の記事をブログに書いていますので興味があれば他の記事も目を通してみてください。
(更新が遅くてゴメンナサイ!)
少しでもあなたの腰痛がよくなりますように。
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
電話0565-27-8437(予約制)
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CHECK!!
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