今回は腰のヘルニアについての話です。「ヘルニアで腰が痛い」という話はよく聞くのでまとめておきます。
「何年か前にヘルニアって言われて・・・」
「ヘルニアがあるから痛みはそのせいだと思う」
「年のせいで変形してるから痛い」
ある程度の年齢になって何人か同年代のお友達が集まればこういう会話が自然に出てくることありますよね。とくに一人でも腰痛の人がいると余計に話題に出ます。
僕もこの仕事をしていて何度も、それこそ何百回この手の話を聞いたかわかりません。
「病院で第5腰椎のヘルニアって言われました」
という患者さんに「痛いところを自分で指さして下さい」とお願いすると、おもむろに第一腰椎を指さす・・・、なんてことは日常茶飯事です。
じゃあ痛さの原因はなんなの??といろいろ考えるわけですが、「原因はズレや歪みです!もしくは筋肉!」と職業柄言いたくなってしまいます、・・・が
僕のような一個人の言うことよりも研究者の方の蓄積された知識のほうが俄然信用できます。
1995年に『Spine』という整形外科医向けの洋雑誌に載った研究で「腰痛のない人の76%にヘルニアがあった。」という報告があります。
腰痛のないボランティアを募って腰の状態を調べてみると、椎間板ヘルニアの人が76%。椎間板の老化変形に至っては80%の人が腰痛はなくても画像診断で変形が認められた、というのです。
適当に石を投げるとヘルニアに当たる、というわけです。腰痛のない人でも 10人いたら7~8人がヘルニアがあるわけですから。
ヘルニアや腰椎の老化変形があっても、それが痛みの原因と言い切るのは不正解かもしれないということを示唆するデータです。(データ:Spine;20(24):2613-25,1955)
逆にレントゲンなどの画像診断をしても「なにもないと言われた」と原因がわからず途方に暮れている方もおられます。 腰の痛みと腰の形の変化はイコールではないかもしれないのです。レントゲンを撮って異常がない現象についてはこちらの記事でも取り上げていますので併せてお読みください。
ヘルニアや老化変形に痛みの原因を探るよりも痛み自体をどう対処するかに重きをおいたほうが、かえって問題を解決するのには近道かもしれませんし、ましてや手術を検討しているという方は一度立ちどまって情報収集してみるのもいいかもしれません。
また、ヘルニアは放置しても自然に消えていくとも考えられています。日本のヘルニアに関するガイドラインでは脱出型ヘルニアは平均約4か月で76%がヘルニアの退縮あるいは完全消失を認めたと報告しています。ヘルニアのタイプによっては高い確率で消えもしないし小さくもならないものもあるようです。
腰椎椎間板ヘルニアにおいては消えたり小さくなる時期が具体的に明らかになっているわけではありません。調査期間が短すぎたり、調査の仕方が一定ではないので質の高い報告(完全な正答)が今現在見つけることができないためです。
しかしながらガイドラインでは、二か月から三か月で退縮するものが少ないくないと推測しています。エビデンスレベルの高い研究がなされていないため推測の域はでないものの、多くのヘルニアが比較的短期間に小さくなったり消えていると考えられています。
「去年ヘルニアと診断されてから痛みが取れない」
と相談されることもありますが、もしかしたら改めて検査してみたらヘルニアはすでに消えているかもしれない、ということも言えるかもしれませんね。
この記事を読んでくださっている方はきっとヘルニアでお悩みの方やご自身でヘルニアが怪しいとお考えの方だと思います。
記事を読んでみてどう思われたでしょうか。痛くない人にも普通にヘルニアがあること、数か月でヘルニアは消えているかもしれないことはわかっていただけたでしょうか。
もしかしたら腰の痛みと椎間板ヘルニアは関係がないかもしれないこと、わかっていただけましたか?ヘルニアはヘルニアです。それ以上でもそれ以下でもありません。そんなに怖がることもありません。
腰痛となると原因究明に偏りがちです。でも、原因に振り回されず今ある痛みをどうするかを考えていったほうがよほど建設的です。だって原因がわかったところで解決の仕方がわからなければ、痛みも悩みも変化しませんから。
夏目接骨院ではヘルニアがあるにもかかわらず問題を解決した利用者さまもいます。ご利用例はこちらでご覧になれます。
皆さんも是非、建設的な腰痛対策に一歩踏み出してみてくださいね!
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
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