腰痛で医療機関にかかった時、まず最初にやることは腰痛の原因がなんであるかを探ることです。画像を撮ったり各種検査(身体の動きをみたり)をしたりして原因がどの部分にあって何が障害になっているかを探ります。
そして大抵の人が椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、すべり症などの名前をもらいます。中には歪みやズレ、筋肉のバランスの悪さや年齢的なもの、骨粗しょう症などからくるいつの間にか骨折と言われた方もおられるかもしれません。
画像上なんの問題もなかった場合に、姿勢が良くないと言われた方もおられることと思います。
現在いろいろなところで同じような情報が入手できますが、今回は厚生労働省の腰痛対策の資料(安全衛生関係リーフレット)を参考に考えてみたいと思います。
まず資料では腰痛を「原因の特定できるもの」と「原因の特定しきれないもの」に分けています。
原因の特定できるもの
椎間板ヘルニア
4~5%
脊柱管狭窄症
4~5%
圧迫骨折
4%
感染性脊椎炎や癌の脊椎転移
1%
大動脈瘤、尿路結石などの内臓疾患
1%未満
計 約15%
原因の特定しきれないもの
計 約85%
(資料出所:What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992 )
と、あります。
原因の特定がしきれないもの、約85%
これは困りました。原因がわからないとどう治療したらいいかわかりません。
原因がわからなくても目の前の患者さんは痛みがあるわけですから、皆いろいろ考えて治療したり施術したりしてるわけですが、、、。
逆に言えることは医療を提供する側もわからないままやっている可能性があるということです。わかったつもりでいることも安全ではないと自分も肝に銘じています。
この資料を読んでわかることは 「ほとんどの腰痛は原因が特定しきれない」ということと、本当に重篤で注意が必要な腰痛は割合としては高くないことです。
(ヘルニアや狭窄症でさえ数年で症状が消退することがあるという研究もあるので本当に注意すべきは5%程度かもしれません。)
でも、原因が特定できないにしても痛みがある人にとっては痛みがあること自体が悩みのはずです。そこで資料から読み取ってほしいことは 命にかかわるような疾患でなければまずは安心して良い 、ということ。そして安心した上で痛みと決別するにはどういった選択をしたらいいかを検討することです。腰痛のなかでも注意が必要なレッドフラッグについてはこちらを参考にしてください。
「5年前に医者にヘルニアと言われてそれが悪化したのか最近痛みが強い。」という腰痛の方に「では、一応お医者さんに行って改めて画像で確認してもらって下さい。」と伝えると「ヘルニアはないけど年齢による変形がある。」と言われたことを教えてくれました。
このような方は原因がはっきりと特定できたわけではないにしても、命にかかわるような疾患でないとお墨付きを頂いたわけですから腰痛を克服できる可能性があります。
仮にヘルニアであっても痛みのない方もいますので自分の腰痛の原因は何なのか、特定が難しいのも現実です。
お医者さんに相談するときに少しだけ勇気を持って、自分は死ぬような疾患ではないか、即手術や入院が必要な疾患ではないか、を訊いてもらえるといいと思います。お医者さんは原因の特定できる15%の疾患かどうか教えてくれるはずです。
心配しなくていい、と言ってもらえたら良くなるチャンスかもしれません。
今日も最後までお読み頂いてありがとうございました。
厚生労働省の腰痛対策資料をリンクさせて頂きます(PDFです)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf
個人的には30ページの下段が多くの方に役に立つと思います。参考にしてみて下さい。
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
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