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脊柱管狭窄症(豊田市・夏目接骨院腰痛ブログ)

【豊田市で腰痛改善を目指すなら夏目接骨院】の夏目です。今回は特に高齢の方に多い脊柱管狭窄症のお話です。

立つと辛い、歩くと辛い狭窄症。
立つと辛い、歩くと辛い狭窄症。

腰部脊柱管狭窄症はまだ定義があいまい

高齢の方によくある脊柱管狭窄症。一般的には歩行や立った姿勢でお尻から脚にかけて痛みやしびれが出るもので、人によっては歩くのが辛いため数分あるいは数歩で痛みが出ることもあります。

 

腰の神経が原因となると考えられているので正式には「腰部脊柱管狭窄症」と名付けられていますが、単に「脊柱管狭窄症」と呼ばれることが多い症状です。単に「狭窄症」と呼ばれることも。

 

腰部脊柱管狭窄症は、椎間板や背骨の関節の変性により神経の通る穴が狭くなり、姿勢によって腰の神経が圧迫されるため神経の本来の働きができなることで発症すると考えられています。

 

脊柱管狭窄症は高齢の人に多いですが、同じような症状を示す「すべり症」は若い人に多く、高齢の人ではすべり症や脊椎症の性質があることで結果として「脊柱管狭窄症」のような症状が出ると考えられています。

 

しかし脊柱管狭窄症はまだ統一された基準がなく、将来は定義を明確にされることが期待されています。

 

これだけ名が知れている脊柱管狭窄症ですが2011年に発刊された腰部脊柱管狭窄症ガイドラインでも診断基準は示されていますが、この基準は「案」であって信頼性・妥当性は今後の課題とされています。

 

すべり症についてはこちらでまとめてありますので一度お読みいただくといいかもしれません。

脊柱管狭窄症は手術したほうがいいかどうか

脊柱管狭窄症の方は「手術をしたほうがいいか?」と心配されるのでそのことをまず説明しておかなければなりません。

 

ガイドラインによると「4~5年の成績は良好だが、それ以上長期になると低下することがある。」としています。手術後5年くらいは調子がいいけど、それ以上は良好な成績を維持する人が減ってしまう。というわけです。

 

しかし研究によっては長期成績を維持している結果を報告もあるので、皆がみんな「最初は良かったけどしばらく経ったらダメだった」という結果になるかどうかはわかりません。

 

また「非外科的治療(手術以外の方法)と手術の有効性は不明」(Inoue G, Miyagi M, Takaso M.

Eur J Orthop Surg Traumatol. 2016)とする研究もあるので患者さんは手術するかしないかの選択を迫られた際に迷ってしまうかもしれません(記事の最後でちゃんとフォローします)。

 

ガイドラインでは、いくつもの研究や論文を比較したものなので手術結果については一概には言えないという注意書きもあります。いろいろな情報に目を通して、やっと手術をするかしないかの判断をしなければいけません。

 

こちらの記事で脊柱管狭窄症の手術についてもう少し詳しく書いていますので参考にしてください。

 

 

もし興味があれば脊柱管狭窄症ガイドラインはネット上で読めますので根気のある方は挑戦してみてください。「手術前にうつ状態があると手術成績が良くない」とか面白い結果も載っていて興味深いですよ。https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0102/G0000369/0001

危ない疾患かどうかを見きわめて

多くの研究で長期的には外科的処置をしてもしなくても成績にあまり変わりないことがわかっている脊柱管狭窄症ですが、気をつけなければならないものもあります。

 

腰、お尻、脚の痛みやしびれに加えて、

・尿が出ない

・尿・便失禁

・股や陰部の感覚異常

・脚に力が入らない

・脚の感覚が鈍い

 

などの場合は迅速な対応が必要なのですぐにお医者さんに相談しましょう。

 

上記のことに全くあてはまらない、もしくはお医者さんに相談した結果焦る必要がないことがわかれば、とりあえず様子を見てもいいと思います。

 

なぜなら「長期的には結果は同じかもしれない」からです。確かに手術をすれば短期的には症状が和らぐ可能性がありますが、数年後には手術を選択しなかった人と成績が並ぶ可能性もあります。

 

痛みやしびれが強くて日常生活ができない、こんな状態は我慢できない、という場合は危ない病気がなくても手術が選択されることもあります。

 

要は、「今の状態が自分でどれだけ許せるか」と「どんな対策が考えられるか」を天秤にかけて考えないといけないのです。

 

過去に「重篤な疾患が疑われるが手術はしたくない」という方がおられましたが、説明してお医者さんに行ってもらいました。確率は高くないものの、手術しなければ回復が見込めない脊柱管狭窄症もあるにはあります。

 

夏目接骨院をご利用いただく方で脊柱管狭窄症のような症状の方は「ある程度支障はあっても日常生活は送れる」また「手術するまでもないが(または手術したくないから)痛みの対策をしたい」という方がほとんどです。

 

脊柱管狭窄症は研究報告が示すとおり長期に観察しなければその後の経過がわかりにくいものだと思います。情報を整理して迷わず判断できるようになると、たとえ脊柱管狭窄症でも納得して向き合えるようになると考えています。

 

時間がかかることですからその場その場で悲観的にならずに、命にかかわるような危ないものでなければ落ち着いて対策していくように心がけましょう。

この記事を書いた人

夏目幸宗(柔道整復師)

慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。

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