スポーツをする若い世代の人や高齢の人から時折相談のある「すべり症」。強度なスポーツは避けるべき?運動はやめるべき?すべり症だったらどうしたらいい?など聞かれることが多いのでまとめておきます。
なお、夏目接骨院でおこなっている腰痛についてのアドバイスを電子書籍にまとめましたので、興味のある方はぜひ手に取って参考にしていただければと思います。
腰痛すべり症は腰の背骨の上下の安定性が失われずれが生じたもので、腰痛をはじめ脊柱管狭窄症と同様の症状が出ると考えられています。
すべり症自体は患部がグラグラと動いてしまうような重度のもの(そんなものがあるかどうか自体が疑問ですが)でなければ、運動は推奨されています。
これはすべり症自体への対処というよりは腰痛自体への対処であったり、高齢の方であれば足腰の痛みや痺れが元で運動しなくなり筋力が弱くなることを防ぐための対処です。
長期的に見れば筋力ダウンで歩けなくなったりして生活の質が下がるほうが問題となりますから、痛みがあっても著しく悪化しなければ運動は推奨すべきと考えていいでしょう。
ですので、すべり症と判明した場合でもただちに運動を中止すればいいというわけではなく、様子をみながらウォーキングや運動を継続的に行うことが妥当と言えます。
たまに「すべり症なんですが」と相談がありますが、「改めて病院で検査してきてもらえますか?」とお願いして再検査してもらうと「特に問題はありませんでした」と言われることがあります。
これは一般の人がネットなどの情報などから自分に当てはまるものを読んで自己判断していたり、画像診断していない専門家が「この症状はおそらくすべり症」と言ったことを鵜呑みにしてたりして、実際にすべり症になっていなくても思い込んでしまっている節があります。
最近、高校生の患者さんからこう言われました。
「病院ですべり症の疑いがあると言われて検査してみたらなんの異常もなかった、腰が痛いのはなぜなんでしょう?」
すべり症の症状が疑われたため検査したものの、原因がはっきりしないということはよくあることです。
ではすべり症と診断されたらお先真っ暗なのか、といえば実はそうでもない可能性もあります。
Fullenlove TM & Williams AJ :Radiology,1957では腰痛患者200名と健常者200名で比べたところ、脊椎すべり症の人がそれぞれ1.5%と2.5%いたと報告されています。
またSplithoff CA : JAMA, 1953では腰痛患者100名と健常者100名を比べたところ、すべり症の人はそれぞれ2%と3%いたとしています。
他の報告でも腰痛患者が健常者に比べてすべり症である確率が低いものもありますから、すべり症は「普通の人でも背骨の形としてちらほら見られるもの」と考えられます。
むしろ腰痛持ちの人のが検出率が低いことを考えると腰痛の原因がすべり症であるかどうかも疑わしいとも考えられます。
すべり症の人には痛みのない普通の人でもすべり症の要素があることは衝撃的かもしれませんが、事実そういった報告があることを無視してはいけません。
以上のことから例えすべり症の診断が下っても、対処法としてはとりあえず腰痛や脚のシビレ自体への対処をすべきと言えます。
事故や強い衝撃などで脊椎の構造が破たんしたものなど重度のもの以外であれば、腰痛や下肢の症状に対して(または生活の質の維持のための)ウォーキングや筋トレなどの運動をできる範囲ではじめてみることをおすすめします。
もともと背骨がすべり症の形だった(検査をするまで単に気が付かなかっただけ)可能性や、年を重ねることで起こる変形(病的なものではない変形)である可能性もあることを考えると、すべり症と判明したからといって腰痛や下肢症状に直結しているかどうかも疑わしいのです。
何度も言うようですが、長期的に見ればすべり症自体よりも筋力ダウンなどで動けなくなり生活の質が低下するほうが問題です。
症状の悪化がなければウォーキングしましょう。運動もしましょう。不安な方は専門家に相談しましょう。ビクビクして何もしないほうが実は問題が大きいかもしれません。
「ウォーキングしましょう」と言っても「どんな歩き方をしたらいいですか?」と問われることがありますが、極論どんな歩き方でも構いません。
あなたが楽な歩き方、苦痛の少ない歩き方で問題ありません。
歩行というのは人間が生活する上で普通におこなう動作ですから、そもそも歩行ですべり症が悪化するようなことは考えにくいです。動いただけで腰が壊れてしまうなら、それはすべり症以上の危険で重篤な疾患です。
「こうやって歩きましょう」と指導されることもあるかもしれませんが、歩行や動き方はその人その人が生きてきた中で自然と獲得したものですから、変えろと言われてもなかなか難しいと思います。歩いている間、ずっと歩き方を意識するのも困難でしょう。
ですので、腰が曲がっていても、多少姿勢が歪んでいても、少しでも楽なら歩き方はあなた流で構いません。無理せず、ちょっとずつでもいいので運動習慣をつけましょうね!
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
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